月刊誌「GP JAPAN」の巻頭言に村野副社長が寄稿! 印刷業界の未来を語る。全文掲載!
2023年3月10日発行の「GP JAPAN」に関東グラビア協同組合理事を務める村野副社長が「持続可能な印刷産業へ」と題して巻頭言を寄稿しました。コロナ禍での思い印刷業界の今後を提案しています。
持続可能な印刷産業へ
関東グラビア協同組合連合会
理事 村野 剛
平素より、組合活動にご協力を賜り誠にありがとうございます。
また、若輩者にもかかわらず関東グラビア協同組合理事、全国グラビア協同組合連合会オブザーバーとしてお引き立ていただき、誠にありがとうございます。
今年で新型コロナウイルス禍3年目、感染対策を行いながら3年ぶりに新年賀詞交歓会を開催することが出来ました。
運営に携わった全国グラビア協同組合連合会事務局の皆様、ご参加くださった会員の皆様、ありがとうございました。
また、5月4日からドイツ「interpack 2023」も開催されることになり、包装産業も日常の生活に戻りつつあります。
さて、コロナ禍の2021年初頭ごろからの急激な景気低迷から始まり、昨年のウクライナ情勢で原材料の高騰、調達難で苦労した2年間でしたが、サプライヤー様のご理解をいただき1~5回分の原材料高と陥没製品の見直しを進めることができ、昨秋はそのような状況下でも経営状況が好転すると思われました。
しかし、加工原料、副資材の高騰分や電気ガスの光熱費の上昇により、政府が掲げている物価高以上の賃上げや労働環境改善までには至っておりません。
フィルムの調達に関してはボトムを脱しましたが、当業界はコロナ前の生産体制には戻せず、4月施行の残業60時間以上の50%以上割増賃金や物流の2024年問題を控えています。
2年以上前から軟包装業界の地位向上のため、安永副理事長様の立案で軟包装の名称を『ソフトパッケージ』に決定しました。行政や一般消費者に、薄くて丈夫な高性能なパッケージを認識してもらうことが大切です。2011年、東日本大震災時の『パッケージが無かったから店頭に商品が並ばなかった』教訓があったにも関わらず、その後も業界自らが無理をしてしまいました。
加工する資源は、海外から大半を仕入れて製品にしなければなりません。コロナ禍の2年間で学んだことを活かしていかなくてはなりません。
加工状況が厳しく、このままでは持続可能な供給が出来ないことを伝え、光熱費も原価の一部として安定的な経営で、より良い製品作りをしなくてはならないと思います。
わたしたちは印刷産業です。将来は「印刷の月」9月3日(「印刷の父」と称された本木昌造の命日が9月3日であったようです)は、各単組の全社が休日にすることで業界アピールが出来ると思います。従業員、家族も喜ばれるでしょう。また、そんな業界を誇りに思うかもしれません。
本年も一生懸命、励んでまいります。ご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。また、皆様が充実した一年になりますよう、お祈り申し上げます。